私、かれこれ40年以上生きていますが、いまだに自分に似合う髪型がわかりません。
頭の形にコンプレックスがあるのでそれを誤魔化すために、今まで色んな髪型にトライしてきましたが、この歳までしっくり来たと思える髪型には出会えていません。
そして直毛すぎる髪質で、セットしてもすぐに髪型が崩れてしまうので毎回強めのパーマをかけてますが、年齢的にもこのままパーマをかけ続けると薄毛の原因になるのではないかと不安なので、できればパーマをかけずに扱いやすい髪型にしてみたいとも考えています。
実は、私と同じように自分に似合う髪型が見つからないというお悩みを抱えている方も多いはず。
そこで今回は、自分に似合う髪型の見つけ方を教わるために、カット、カラー、ヘアケアなどのスペシャリスト制を導入した表参道の美容室「BLANCO」で、カットのスペシャリスト(ヘアデザイナー)として多くのお客様にヘアスタイルの提案を行なっている茂在 祐介さんへインタビューをさせていただいました。
似合う髪型の見つけ方やヘアカットについて、そして茂在さんのプライベートなお話まで、色んなお話が聞けましたので、ぜひ参考にしてみてください。
所属している「BLANCO」について
まずは「スペシャリスト制」という独特のシステムを導入されていて、茂在さんも所属している「BLANCO」という美容室について伺ってみました。
当社は「BLANCO」の他に「AZURA」や「SAMSON&DELILA」など様々なブランド名で全国にヘアサロンを展開しています。
数十店舗ある系列店の中で、唯一スペシャリスト制を導入しているヘアサロンが「BLANCO」になります。
系列店が80店舗ほどある中で、「BLANCO」の6店舗がスペシャリスト制という独自のシステムで運営されているとのことです。
このスペシャリスト制とは、ヘアカットやパーマを施しお客様のヘアスタイルを“デザイン”するデザイナー、お客様にヘアカラーを施すカラーリスト、マツエクやアイマッサージを施すアイコーディネーターなど、各分野で専門特化したスペシャリストによって、きっちりと役割分担がされている仕組みだと教えてくれました。
しかし、一人のお客様を複数人で担当することにやりにくさなどは無いのでしょうか?
各スペシャリストが専門領域を深掘りし常に新しい技術が習得できるので、好きな分野で思う存分力を発揮したいと思う人には、むしろプラスに作用していると思います。
通常は、カットやパーマ、ヘアカラー、トリートメントなどのヘアケアを全て一人で担当しているので覚える技術が幅広く、それゆえに施術ごとで得意不得意がありましたが、専門特化したことで得意な施術を深掘りして学べて、お客様に対しても、それぞれで最高の技術をご提供できると教えてくれました。
ヘアデザイナーのお仕事とは?
では、カットのスペシャリスト(ヘアデザイナー)のお仕事とはどのようなものなのでしょうか?
茂在さんのお仕事について教えてもらいました。
ヘアデザイナーは文字通りお客様のヘアスタイルをデザインをする仕事です。
僕は、顔の形や骨格を360度理解し、どの角度から見ても綺麗に見せる骨格補正カットと、その方の髪のくせや生え方を活かしたカットが得意です。
お客様の骨格や顔の形を様々な角度から確認し、その人の髪のくせを理解した上で、髪が伸びてきた1ヶ月後も綺麗に見せられるようにカットする事を心がけているという茂在さん。
また、お客様へのカウンセリングの際にも、そういった部分に気をつけてスタイル提案を行なっているとのことです。
そして、ヘアスタイルをデザインする際には、カットだけでなくパーマや縮毛矯正といった技術も必要になるので、そういった技術の習得にも力を注いでいると言います。
ヘアデザイナーとして、そうった技術面以外に必要なものはあるのでしょうか?
やはり、トレンドを掴む為に、常に最新の情報をキャッチすることや、的確なカウンセリングを行う為に人に対して興味を持つことは重要です。
ヘアデザイナーにはカットするだけではなく、トレンドを意識しその人に似合う髪型を提案する力も必要になります。
そのためには、事前にしっかりとしたカウンセリングを行う必要があるのですが、その時に最新のトレンドが分からなかったり、その人の好みやライフスタイルが理解できていなかったら的確な提案も出来ないという茂在さん。
常にネットや雑誌などで最新のトレンドを確認し、街ゆく人々を観察し、多くの人たちの話を聞くことで、普段から様々な情報を取り入れていると教えてくれました。
自分に似合う髪型の見つけ方とは?
似合う髪型とは?見つける為に必要なものは?
骨格や顔の形、その人のライフスタイルなどから、ヘアスタイルの提案を行うヘアデザイナー・茂在さんに、自分に似合う髪型の見つけ方を聞いてみました。
ヘアスタイルが似合う似合わないというのは、結局ご自身の判断でしかありません。
周りからいくら似合ってると言われても、ご自身でしっくりこなければそれは似合わない髪型になります。
確かに、私にも経験がありますが、髪型を変えた時に周りから「その髪型似合うね!」と言われても、自分の中でしっくりこないところがあると、それは納得がいかない髪型だったります。
その上で、茂在さんはこのように教えてくれました。
美容室に行くときは、好きな髪型や理想の髪型の写真を10枚見せてください。
そして、今までやった髪型で嫌だった点や気になる点を教えてください。
美容室に行くときに、なりたい髪型の写真を1枚だけ持って行く人は多いと思いますが、茂在さんが言うには、写真は多ければ多いほど良いとの事。
1枚の写真だけだと、お客様の骨格や髪質ではその髪型が似合わなかったり、再現出来ない事もあるためだそうですが、それ以外にも大きな問題があると教えてくれました。
1枚の写真をもとにカウンセリングを行っていると、実はお客様はその写真の髪型にしたいわけではなく、その人の顔やキャラクターになりたい場合が多いんです。
お客様に見せられた写真の髪型がご希望だと思ってカウンセリングを進めていくと、写真の人物が好きで理想ではあっても、実はその髪型はそれほど好みではないということが多いと言います。
そうなってくると、なかなかスタイリストへ好みが伝わりにくいので、写真はできるだけたくさん見せた方が良いと教えてくれました。
カウンセリングの際にたくさんの写真を見せてもらうと、その中から様々な好みや傾向が見つかって、提案するデザインの方向性が明確になるそうです。
さらに、今までやった髪型で嫌だったところも追加してもらうことで、より一層似合う髪型への提案ができると言います。
カウンセリングで得た情報と、最新のトレンドや顔の形・骨格などを加味してデザインを決めることで、お客様が納得する髪型は必ず見つかると茂在さんは教えてくれました。
茂在さんが行うカウンセリングとは?
似合う髪型を見つけるには、スタイリストが行うカウンセリング内容が重要だという茂在さん。
茂在さんは、そのカウンセリングでもオリジナルのものを取り入れていると教えてくれました。
心理テストに近いのですが、お客様を8つのグループに分けるオリジナルのカウンセリングをおこなっています。
いくつかの質問をして、その質問結果によって、大人っぽいものと子供っぽいものや、スタイリッシュなものと可愛いものなど、対極にあるいくつかの組み合わせでその人の好みや特徴、深層心理を判断するというもの。
女性の場合、一見可愛らしい人が実はすごくカッコいいものを選んでいたり、大人っぽい女性が子供っぽい答えを選んだりすることがあって、実は意外とご自身のことをきちんと理解されていないことも多いと言います。
これにより、その人が思いもよらなかった新たな好みが発見できたり、ヘアスタイルの提案につなげやすくなったりするそうです。
ヘアカットについて
カウンセリングが終了し、ヘアスタイルが決まると、次に行うのはヘアカット。
現在、ヘアカットのスペシャリストとしてお仕事をされている茂在さんが、先ほど、どの角度から見ても綺麗に見せるカットと、髪のくせや生え方を活かしたカットが得意だと仰っていました。
そもそも、どの角度から見ても綺麗見せるカットとはどのようなものなのでしょうか?
普通のカットとの違いについて聞いてみました。
彫刻をイメージしていただけると分かりやすいと思います。
骨格を確認しながらボリュームが出やすいところは削り、ボリュームが出にくいところは残す。そうやってコンパクトにまとめて髪型を作っていきます。
通常だと、髪をカットする場合、髪の長さは左右対称が良しとされるのですが、それだと骨格やくせによって、伸び始めてくると左右のバランスが悪くなることがあると言います。
しかし、茂在さんの場合は、骨格や顔の形、髪のくせを確認しながら1ヶ月後の髪型を想像し、まさに彫刻を行うように髪を切って行くので、伸び始めてもバランスを崩すことは少ないと教えてくれました。
ただ、骨格に合わせてヘアカットをすると左右対称になるとは限らないので、僕が切った後に他の美容室へ行かれると、そこの美容師さんに「どんな切り方してるんだ?」と思われることもあるでしょうね。
茂在さんはそう笑って言ってましたが、左右対称が良しとされる美容師さんには、そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
私に似合う髪型を提案してもらえますか?
自分に似合う髪型の見つけ方やカットについて、色々とお話しいただいた茂在さん。
せっかくなので、私に似合う髪型についても聞いてみました。
※今はもう少し短くて、きつめのクリクリパーマです。
頭の形にコンプレックスがあって、直毛すぎることが悩みの私。
それゆえに、40歳を過ぎた今でも自分に似合う髪型がわからず、なかなかしっくりくる髪型に出会えていない私に、似合う髪型はあるのでしょうか?
もちろん、似合う髪型は見つけられますよ。
頭の形でいうと、この辺り(左横)の骨格が張ってるので、そこのボリュームを減らして、前髪を全部上げるのではなく、前の部分に少しボリュームを足すと、今っぽいかっこ良さや渋さが出ます。
簡単にではありますが、私の顔の形や骨格、髪のくせを確認してもらい、悩みや好み、普段の生活スタイルを伝えるとこのような答えが帰ってきました。
なかなか文章だけで伝えることは難しいので、イメージ画像を拝借。
引用: https://i.pinimg.com/564x/0b/67/49/0b674970ed7faf44444a11ae69c23d0d.jpg
ご提案いただいたのはもう少し長めでしたが、前の部分に少しボリュームを持たせて、横をスッキリとさせたこんな感じのスタイルでした。
確かにご提案いただいた髪型は好みで、似たスタイルはもう少し髪が伸びたらやってみたいと思っていました。
ご提案の髪型が再現出来たら、私にもやっとしっくり来る髪型が見つかりそうです!
ありがとうございます。今度ぜひ試してみたいと思います。
茂在さんってどんな人?
ヘアデザイナーとしてのお仕事から離れた茂在さんについても伺ってみました。
趣味は旅行ですかね。
神社仏閣やお城を見て回るのが好きです。
なかなか長期でお休みを取るのが難しいという茂在さん。
2泊程度のお休みが取れると、最近は国内旅行で神社仏閣やお城を見て回るのが好きだと教えてくれました。
最近行って良かったのが松山城ですね。
一番好きなお城は松本城とのことですが、松山城は守りのお城と言われるだけあって、見所が多く非常に楽しかったとのこと。
また、旅先で食べるその土地の料理も楽しみの一つなので、少しお休みが取れたら、気分転換に旅行は欠かせないと言います。
では、旅行以外ではどのような休日を過ごしているのでしょうか?
最近、料理を始めました。
と言っても、作ってるのはおつまみばかりですが。
料理を始めて、最近ハマっているという茂在さん。
最近作った料理で美味しかったのは塩麻婆豆腐だとのこと。
辛いのが苦手な茂在さんは、麻婆豆腐の辛さが苦手なので、辛味を抜いた塩味の麻婆豆腐はお気に入り料理だと教えてくれました。
中学の頃からやっているサッカーも好きで、最近はフットサルを楽しんでます。
実は中学高校とサッカー部だったという茂在さん。
その影響で、今でもサッカーをするのが大好きで、運動不足にならないように休日に時間があるとフットサルをやっているとのこと。
まだ独身だという茂在さん。
現在はお仕事に中心の生活になってしまっているようですが、わずかな時間を活用してプライベートも充実した生活を送っていらっしゃるようです。
まとめ
今回は、自分に似合う髪型探しということで、ヘアデザイナーとして、多くのお客様のヘアデザインを担当されている「BLANCO」の茂在 祐介さんにお話をお伺いしました。
一つ一つの質問に対して、分かりやすく丁寧にお話いただくその姿は、まるで私が髪型についてのカウンセリングを受けているような錯覚に陥るほど、私を良く観察されているなぁと感じました。
カットの技術もさることながら、こういった穏やかなお人柄と物腰、そして丁寧なカウンセリングがあるからこそ、お客様からの信頼も厚いのだと思います。
美容師さんに1枚の写真を見せただけだと、お客様の好みや理想の姿が想像しにくく齟齬(そご)が生まれやすくなるので、写真は出来るだけ多く見せてじっくり相談することが、似合う髪型になる近道だという意見には納得させられました。
そして、お客様一人一人の骨格や顔の形に合わせて彫刻を作るようにカットするというお話も、カットのスペシャリストとして技術を磨いて活動されている茂在さんだからこそ、お話いただけたことだと感じています。
全ての美容室に、茂在さんのようなカットのスペシャリストがいるわけではありませんが、今回お話いただいた内容は自分に似合う髪型探しのお役に立つ話だったのではないかと思います。
今まで似合う髪型が見つからなかった人は、まずはなりたい自分・理想の髪型の画像をたくさん揃えて、美容師さんに相談するところから始めたいですね。
茂在 祐介(もざい ゆうすけ)
神奈川県出身 「BLANCO」 ヘアデザイナー
ヘアデザイナーとして、日々お客様のヘアスタイルをデザインする37歳。
長年、ヘアカットの講師も務めるなど、カットの技術が折り紙つき。
お客様が全国から来店されるほど、ヘアカットに対する信頼が厚い。
休日にはサッカーや神社仏閣巡りを楽しむ一面もあり
「BLANCO」ブログ:茂在さんのページ
茂在さん所属「BLANCO」のWebサイト